ハンドパペット

(上から順に)ミミヒダハゲワシ、コウノトリ、ソデグロヅル、アメリカシロヅルのハンドパペット
(上から順に)ミミヒダハゲワシ、コウノトリ、ソデグロヅル、アメリカシロヅルのハンドパペット

ハンドパペットとは、「指人形」を意味しますが、ここで紹介するハンドパペットは鳥の飼育に使う道具のことです。ツルやカモなどは、孵化して目が見えるようになると、初めて見た動くものを親だと認識するようになります。これを刷り込み「インプリンティング」と言います。
 

アメリカシロヅルの人工飼育したヒナを野生に戻す時、これまでは飼育係の人を親だと思ってしまい、野生復帰がスムーズにできませんでした。そのような経験から、刷り込みを起こさずに飼育する方法を模索していましたが、今ではハンドパペットを使ってアメリカシロヅルを育てるようになりました。飼育係の人は布を頭からかぶり、ハンドパペットを持ち、ツルの親になりきってヒナを育てます。この飼育方法の効果は大きく、他にもソデグルヅル、タンチョウ、コウノトリなどの人工飼育にも使われています。私の製作したハンドパペットは日本だけでなく、アメリカ、ロシアなどの国々でも利用されています。