バードカービングによるハワイミツスイの復元

ハワイ諸島に種分化した約50種のハワイミツスイが生息していました。ガラパゴス諸島で適応放散したダーウィンフィンチ以上にその色彩、嘴の形の多様性が高いことで知られています。しかし、人間が持ち込んだ鳥や外来生物などの影響でその半数ほどが既に絶滅し、生き残っている種も絶滅危惧の状況となっています。これら絶滅種を含むハワイミツスイの剥製標本がホノルルのビショップミュージアムの収蔵庫に保管されています。剥製を収蔵庫から出して展示すると、劣化の懸念があるために展示不可能な状態です。そこで、近代まで生存が確認されていた41種の雌雄のバードカービングによる細密標本を作る計画を立てました。これにより展示も持ち出しも可能な生物進化と自然保護の教材、つまり鳥類の生息環境による進化の説明や、動物種や生物多様性を守るための自然保護の大切さを教える、貴重な教材として活用できることになります。タッチカービングとして制作すれば盲学校の触察教材としても利用できます。

私は、これまでもバードカービングによって、絶滅危惧種のオキノタユウ(アホウドリ)の営巣地を広げるためのデコイの作製、ダーウィンフィンチの系統樹の作製、視覚障害者の方々が手で触れて鑑賞できる触察教材などを作ってきました。

私がこれから情熱を注ぎたいと思っている、このハワイミツスイ類をバードカービングで復元するプロジェクトは、ハワイと日本の共同プロジェクトとして進めます。作成には数年間の作業が必要で、多額の資金(ひとつの種のハワイミツスイを制作するための研究費と製作費として25万円程度)も必要です。幸いにも、ホノルルのビショップミュージアムが全面的に協力して下さることになりました。またハワイ公共ラジオ(Hawaii Public Radio)にも賛同して頂き、私のインタビュー番組をウェブ掲載して頂きました。 http://hawaiipublicradio.org/post/bird-hand-worth-lot

ビショップミュージアムで作った動画もご覧ください。https://youtu.be/RHhxAMdejuU

そこで皆様へのお願いは、このハワイミツスイ復元プロジェクトに賛同して頂き、ビショップミュージアムのウェブサイトに開設されている寄付窓口https://16806a.blackbaudhosting.com/16806a/Totalから、プロジェクト実行のための寄付をお願いしたいと思います。なお、寄付窓口サイトでは寄付目的を選択する必要があり、Designationの欄からNatural Sciencesを選択し、Comments欄にHoneycreeper Carving Projectと入力の上、クレジットカードなどによる寄付をして頂くよう、よろしくお願い申し上げます。

 

現代の名工 野鳥彫刻家 内山春雄